産後も一人の女性、男性としての会話を

産後も一人の女性、男性としての会話を

産後の大変な時期、不慣れな赤ちゃんのお世話で、毎日バタバタとしていて、自分たちのことなんて二の次…。そんな事態に陥っていませんか?

「産後クライシスを避けるために」の記事でもお伝えしていますが、産後に急速に夫婦関係が変化し、離婚にいたるカップルもいるという事実があります。

産後こそ、妻と夫の関係(=パートナーシップ)がうまくいく大事な時期であるとも言えるのです。


産後女性は「大人の会話」を求めている

「赤ちゃんが生まれて幸せ」ということに気を取られ、「妻は一日、赤ちゃんと過ごしているので、きっと幸せなんだろう」と考えるのは早計です。

もちろん、赤ちゃんが生まれてくれて、すくすくと育ってくれるのは、このうえない幸せです。でも、家にずっと赤ちゃんと二人きりの環境は、本当に手放しで喜べる「幸せ」なのでしょうか?

現在、ほとんどの女性が働き、社会人としての経験をしてから、妊娠、出産しています。社会的な自分の役割や居場所を得てきた女性たちが、突然、外へ出られず家の中にいて、赤ちゃんと二人きり。児童館で出会ったママ友とは、赤ちゃんの成長やベビーウエアについては話すけれど、「一人の女性」としての話はしない。

社会でキャリアをしっかり積んできた人ほど、そのギャップに驚き、「私はどうしちゃったんだろう?」と思い悩むことが多いようです。

そんなときに必要なのは、二人の間でも妻を一人の女性として扱う「会話」です。

もちろん、毎日の赤ちゃんの成長や、ちょっとした変化などを二人で共有することも、楽しく、とても重要なことですが、妻と夫で、大人同士としての会話をすることもこころがけてください。


「大人の会話」とは?

マドレボニータの「産後のボディケア&フィットネス教室」の受講者が語るのは、「今日は、産後ずっとできなかった大人の会話ができて楽しかった」ということ。

彼女たちは、どんなことを語っているのでしょうか? プログラムの中で行っているのは、「自分のことを話すこと」。子供の悩みや子育ての楽しみではなく、「自分のこと」です。

母となった「私」、妻である「私」、育休中なら仕事人としての「私」。子供が生まれると、さまざまな「私」が絡み合い、一筋縄でいかない。そんな「自分」のことを他人に聞いてもらうことで、いきいきとする女性たち。

これが、他人ではなく夫なら、なおさらうれしいのではないでしょうか?

母となる前の妻のことを知っている、妻自身がどんな人なのかを知っているのは、夫です。

そんな妻が、一人の女性として、何を考えて、どうしたいのか? それを聞くこと、そして、夫自身のことを話すことが「大人の会話」です。

「夫婦なんだから、一緒に暮らしているんだから、相手のことはよくわかっている」なんて言わずに、お互いに、どう働くか、どう生きたいか、どんな暮らしをしたいのかなどを話してみてください。

かわいい赤ちゃんのことだけでなく、そんな話をあえて産後に交わしてみると、「意外にそんなこと考えていたんだ!」と思うことがあるかもしれません。


話をする際は、「よかれと思って言ったことで妻が激怒」の記事も参考にしてください。


(監修: NPO法人マドレボニータ)