家事・育児を分担しよう
家事・育児を分担しよう
産後、とくに産褥期(さんじょくき)は、出産で妻の体はボロボロです。里帰りで産後しばらくは実家に戻っていたとしても、まだまだ体は回復途上。一人で家事、育児を行うには難しい状況です。もっと言うなら、産褥期を過ぎても育児の大変さは変わりません。産褥期だけでなく、家族というチームを運営するにあたって、家事・育児の分担は欠かせないものです。
それなのに、「大変そうな」妊娠中は家事の分担をしてくれたのに、産後しばらくすると分担してくれなくなったという声も。産後は、夫の役割はより大きくなり、妻は頼りにしたいと思っているはずです。
「手伝おうか?」はNGワード!
- 「出産後、産院から戻ってきて、開口一番夫に言ったのは、「◯◯してあげようか?」という言葉を口にしないでほしいということ。自分も主体的に家事・育児にかかわってほしかったので」H・Mさん(産後6年)
「手伝おうか」、「やることあったら言ってね」、「〜してあげようか?」という言葉から、妻が感じることはどんなことでしょう?
夫からすれば、実際に家事や育児を手伝うことで、妻を「助けたい」という意思を示しているということかもしれません。しかし、妻にとっては、「家事・育児は、基本は妻がやることだよね。でも、僕はそれを手伝うよ(僕って、イクメンだよね?)」と聞こえています。
二人の家庭、二人の子供のための、家事・育児ですよね? 「手伝おうか?」という言葉からは、主体的にかかわろうとする気持ちが見えないため、妻の密かな怒りを買いかねません。
「せっかく手伝おうと思ったのに、なんかイライラされた」という経験があるなら、なおさら。「手伝おうか?」ではなく、「僕はこれをやろうかな」とサッサと行動に移すのが正解です。
観察力でサポートにつなげる!
しかし、実際、自分がやるべき家事や育児を見つけてササッとできてしまう男性は、かなり少数派です。最初は妻に主導権を握ってもらうことになるかもしれません。
そんなときは、「自分でも家事・育児をやりたいし、妻の負担を軽減したいから、どこから一緒にやれるか教えてほしい」と聞いてみてはいかがでしょうか。
「自ら動きたい」という姿勢が見えるだけでも、妻はとても心強く感じるはずです。母乳など、母親しかできないこともありますが、できるところから分担していきましょう。
そして、妻に教えを請うだけでなく、夫も自分ができることを「見つけ出す」ことが大切です。まずは、妻の動きや赤ちゃんの様子をきちんと観察することから始めましょう。
とくに育児については、「母親じゃないと、なぜ赤ちゃんが泣いているかわからないでしょ?」などという偏見はスッパリ捨て、時間をかけてよく赤ちゃんを観察してみてください。1日でも二人きりで過ごせば、お腹が空いているのか、オムツを替えたほうがいいのか、抱っこしてほしいのか、だんだんわかってきます。
もちろん、母親の妻でも泣きやまないときだってあります。それを含めて、赤ちゃんと一緒に過ごし、観察することで、「今は何ができるか」が見えてくるのです。それが、「手伝おうか?」を言わなくてすむ一つの方法。
家事でも同じです。妻のやり方、何時頃にどんなことをしているのかを観察すれば、サポートできるポイントが見えてきます。
夫の観察力で、夫婦の家事・育児分担がスムーズになります。男性ならではの研究心と分析力を駆使して、産後の大変な時期を乗り越えていきましょう!
(監修: NPO法人マドレボニータ)