里帰り出産、成功談&失敗談
安易に決めていない?里帰り出産
産後は体を休めるのが必要。頼れるのは家族(親)なので、実家に帰ればいいということで自動的に「里帰りを選択」するというのはちょっと注意。あくまで、「きちんと体を休められる体制」になっているかどうかを基準に考えてみましょう。
もちろん、家族は頼れる存在。一方で、家族だからこそ、逆に大変になってしまうこともあったという人も。里帰り出産のよかったところ、困ったことを先輩母&父に聞きました。
里帰りしてよかった!
やはり里帰りの良さは「人手がいること」。家族に家事をお願いすることで、自分の体を休めることができます。
- 「身体を気遣った料理、赤ちゃんの衣類のみ別での洗濯、哺乳瓶の煮沸消毒など 細かいところまで気になることを母がやってくれた。 そして、日中も家の中に誰かいることがよかった。自営業のためか、近所の人がお祝いに寄ってくれる環境だったため、外の世界が入ってきてくれた(東京/Y・Sさん)」
「家の中に誰かがいること」は、産後母にとって、とても大切なこと。「赤ちゃんと二人きりになることがどんなに辛いことか、産んだ後に初めて知った」という母たちの声をよく聞きます。
親戚の方々も赤ちゃんを見に来てもらいやすいなど、もメリットです。
里帰りして困った!
「実家」とはいえ、すでに家庭を持った自分にとっては「違う城」。意外に居心地が悪かったという人も。
- 「実家で私が住んでいた部屋は、すでに物置状態。ある程度居場所を作ってくれていても、居心地が悪かった(神奈川/T・Mさん)」
- 「もともとそんなに気の合う母親ではなかった。産んでみて、赤ちゃんのお世話、家事の仕方など、自分がやりたい方法ではなく、小さなことでイライラをぶつけてしまい、母との関係が悪化してしまった(群馬/I・Nさん)」
実家でも産後の弱った自分が安心して休める場所、体制があるのかをしっかり準備するのが大切。そして、自分がそうであるように、母も一人の人間。親子だからといって全てがうまくいくという場合ばかりではありません。「とりあえず里帰り」ではなく、産後の状況を考えて決めましょう。
また、夫と離れてしまうというデメリットも。
- 「精神的につらくなった時には、実家の人々では打ち明けても解決しなかった。3人目で初めて、仕事中の夫にメールしてSOSを発信できました。産後1週間のとき、半休取って実家に来てもらい、話を聞いてもらって、やっとマタニティブルーを乗り越えました。(東京/Y・Sさん)」
「パパが赤ちゃんに会えない」というデメリット以上に、産後母のつらさを夫婦で共有しにくい点もデメリットと言えるのではないでしょうか。
(監修: 杏林大学 保健学部 准教授 佐々木 裕子 先生)