妊娠中、産後のセックス

妊娠中、産後のセックス

妊娠しているから、避妊しなくてもいい? 男性側からの勝手な判断は危険です。妊娠中のセックスで注意すべき点を知っておきましょう。そして、まずは妻の気持ちを優先させてください。体が元気で、妊娠経過が正常でも、妊娠での体の変化で気持ちは妊娠前とは違っていることもあります。


妊娠経過が順調なら基本はOK

基本的には妊娠経過がよければ、どの時期でもセックスしても問題ありません。下記のようなことに気をつけていれば、妊娠中のセックスが原因で早産や流産になることはほとんどありません。ただ、妊娠初期はつわりがあったり、妊娠経過に不安があったりするので、避けたいという女性は多いようです。お互いに気持ちを確かめ合って。

しかし、医師から切迫流産や切迫早産と言われたり、子宮頸管が短い、胎盤の位置が正常でないときは控えてください。おなかに張りがあるときや出血しているときも避けるようにしてください。


気をつけたいこと

抵抗力が下がる妊娠中は感染しやすいため、触れ合うところは清潔を保つことを心がけて。触れ合う時にもコンドームを使用しましょう。

また、正期産になる妊娠37週までは、膣内射精(中出し)は避けます。精液にはさまざまな細菌や子宮収縮を促すホルモンや、子宮頸管をやわらかくする物質が含まれているので、おなかが張る原因となることがあるからです。

体位にも気を配ることが必要。おなかが大きくなってきたら、おなかを圧迫しない体位で行い、激しい動きは避けてください。また、乳首や乳房を刺激しすぎるとおなかが張るので、様子を見ながら行ってください。おなかが張ってきたと言っていたら、すぐにやめましょう。


「タッチング」だけでなく「リスニング」も

夫婦関係をよくしていくときに「触れ合う」ことはとても大切。しかし、肌を触れ合い、安心を得たり、お互いの気持ちを確かめ合うという意味ならば、セックスでなくてもお互いに満足できる方法があるかもしれません。ただ、どちらかが我慢をし続けるのは、夫婦関係においても望ましくないことです。

性的なことは「暗黙の了解で」と思っている人が多いようですが、妊娠中、産後だからこそ、自分の欲求や要望を伝え合い、お互いの気持ちを聞く「リスニング」も大切。心と体、両方で気持ちを確かめ合っていきましょう。


(監修: 医師・医学博士・産業医 /「広尾レディース」院長 宗田 聡 先生)