うつぶせケア

うつぶせの気持ちよさ、忘れていませんか?

体がガタガタになっている産褥期をどうすごすべきか。出産から1週間程度は産院で安静に過ごしたとして、問題はそのあとです。退院から約3週間(つまり出産から1ヶ月)までは基本的に布団の上で横になって過ごし、起き上がるのは授乳とトイレと食事のときだけにするのが理想です。

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「だけど夫婦ふたりしかいないし…」という人も多いかもしれません。でも、この時期の静養はお金を出して買うくらいが正解。心身のゆとりと安定のほうが、よほど大切です。

ただし、万全を期していても、出産が体に与えるダメージはやはり大きいもの。想像していた以上に不自由な産後の生活に最初は戸惑うことでしょう。

少しでも心と体をいたわってラクに過ごせるように。産褥期におすすめしたいセルフケアの最初の一歩は「うつぶせになること」です。


うつぶせで腹筋を伸ばしてあげよう

出産後、ひとまずはぐっすり眠り、目が覚めたらまず試してみてほしいのが、「うつぶせ」です。出産までの数ヶ月間で忘れがちですが、再び身ひとつに戻ったのだから、うつぶせも解禁!

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実はうつぶせの姿勢は、腹筋が本来の長さに伸びた状態になる姿勢でもあります。だからうつぶせになるだけでも、身体に本来の腹筋の長さを思い出させることができるのです。

産後はおなかに力が入りにくく猫背になりがち…でも、これを続けてしまうと姿勢を支えることができなくなり、やがて腰痛や肩コリにつながる恐れも出てきます。

猫背を予防するためにも、数ヶ月ぶりのうつぶせで腹筋を伸ばして心と体をほぐしてあげましょう。また、うつぶせの姿勢には不安定になっている子宮が後屈するのを予防する効果もあり、後陣痛の痛みも緩和します。


 (C) 2016 吉岡 マコ

(監修: 杏林大学 保健学部 准教授 佐々木 裕子 先生)