New産褥体操

開いた骨盤を筋肉の力で戻そう

出産後、骨盤に脚のつけ根がうまくはまっていないような、うまく歩けないような、グラグラした不安定さに気づくと思います。会陰の傷が軽い人は、股の痛みよりも、その不安定さが気になるはず。

出産時、赤ちゃんが通れるように骨盤は開いていきます。その後ずっと骨盤が開いたままで暮らしてしまうと、筋肉は衰え、脂肪、内臓が下垂。お尻は台形になり、下腹部ポッコリ、ヒップの垂れたおばさん体型のできあがり…という結果に。

これを防ぐためにガードルやベルトなど、道具を借りる方法もありますが、骨格を支えるのはあくまで筋肉。道具はあくまでも正しい骨格の感覚をつかむためのきっかけにとどめ、補助なしでも骨格を支えられるよう筋肉の使い方を覚えていきたいものです。

この記事では、New産褥体操を紹介します。

体操とはいっても、うつぶせになって脚の角度を筋肉で調節するだけ。この動きで開いた骨盤をあるべき形に戻し、その状態を自分の筋肉で支えられるようにしていきます。簡単だけど、効果は強力です。


New産褥体操


01 うつぶせになる

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手を重ねて額の下に置き、うつぶせになります。

このとき筋肉を使っていないと、ひざが曲がってつま先が内股になります。自分の現状をチェックしてみましょう。


02 太ももをつけ根から外側にひねる

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お尻の筋肉を使い、ももの内側を床につけるような感覚で、太ももをつけ根から外側にひねります。


03 02の状態をキープしつつひざをまっすぐに伸ばす

02の状態のまま、ひざをまっすぐに伸ばしましょう。太ももの前側の筋肉をしっかり収縮させます。お尻や太ももの筋肉で、キュッとひきしまったヒップラインをつくっている状態になります。


04 あお向けになって思いきり伸びをする

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最後に、あお向けになって腕も伸ばして思いきり身体を上下に伸ばしてください。お尻が床と接している面積が小さくなっているのがわかるはず。

起き抜けにこの伸びをするだけでも、全身をストレッチし、整える効果がありますよ!


入院中にこの体操を毎日行ない、退院までに自分の筋肉(お尻の大臀筋)で脚と骨盤の角度をコントロールする感覚だけでもつかめていると、理想的。開始の目安は分娩翌日ぐらいからです。

帝王切開の場合は
異常出血や分娩が長引いて疲労が顕著な場合、帝王切開の場合には、自分の体の状態や痛みと相談しながら開始してください。
New産褥体操がつらいようだったら最初は無理せず、まずはあお向けになって足首を曲げ伸ばす動作を行ってみましょう。深部静脈血栓症予防の効果があります。


 (C) 2016 吉岡 マコ

(監修: 杏林大学 保健学部 准教授 佐々木 裕子 先生)