産褥期って何?産褥期の母の体
産褥期とは
出産後6~8週間までの期間を「産褥期」と呼びます。
出産を終えた妻の体は、実は全治2ヶ月の重傷を負っているのと同じ状態。産褥期は静養することが何より大切です。また、この時期の静養が不十分だと、のちのちに様々なトラブルが体に起きます。
どんなトラブルが?
子宮の回復が遅れます。他にも尿もれや骨盤まわりの違和感などが発生しやすくなります。
そもそもこの時期の妻は股関節がぐらぐらして歩くのも不安定。出産前とはホルモンバランスも変化します。動くこと自体が辛い状態ですので、まずは横になってゆっくり静養することを心がけましょう。
回復までにかかる期間や体の辛さの程度は人によって異なりますが、悪露の量や色(一旦少なくなったものが再び赤色に戻る)を目安に、体調にあわせて4週間程度は安静にする必要があります。無理をすると、いったん少なくなった悪露が再び増えることがあります。体調が良い場合でも、赤ちゃんのお世話中心から、洗濯物をたたむなど軽めの家事、一般的な家事と段階的に活動の幅を広げるようにしてください。
産褥期を安静に過ごすために
産褥期を安静に過ごすには事前の準備が不可欠です。食事・トイレ・授乳の時以外は妻が起き上がらなくても済むような環境を作りましょう。炊事、洗濯、掃除などの家事を妻が行わなくて良いようなサポート体制を作ることが大切です。
産褥期に避けたいこと
訪問客を起き上がってもてなしたり、横になったままついスマホをいじりすぎたり…ということはNGです。目を使うと交感神経が優位になってリラックスできないため回復が遅れます。
ここがポイント!
- 静養できる環境
- 家事全般のサポート
- 体のサインに敏感になって無理をしないこと
- 体に負担をかけない抱っこ・授乳の方法を知ること
これはNG!
- 訪問客の対応など起き上がって動くこと
- メール、インターネット、テレビなど目を使うこと
ここもチェック!
「やること」メニューから「産褥期にそなえよう」をタップしてください。産褥期を静養して過ごすための準備がわかります。関連記事も合わせて参照してください。
産褥期の心の変化
退院後、出産の高揚感はだんだんと落ち着き、慣れない育児と回復しない体に疲労を感じることが多くなってきます。睡眠不足や疲労から心が落ち込んでしまうことも。周囲に話す相手がいない場合は、ついネットで他人の経験談を探してしまったり、自分と比較することでさらに落ち込んでしまったり…。
人を頼ろう
毎日育児に精一杯。赤ちゃんと妻が唯一の話し相手…という状態を続けていると、心はあっというまに沈んでいきます。そんなときはネットを見て回るのではなく、家族や友人を頼ってみましょう。
例えば友人にお昼を買ってきてもらい、お布団の中で上半身だけ起こして会話しながら一緒に食べる。それだけでとても気分が晴れるものです。産後の生活、育児は自分ひとりではままならないもの。煮詰まってしまった場合は外の空気を入れることが効果的です。出産前から「困ったときには助けてほしい」と友人に話しておくのがおすすめです。
この記事もチェック!
周囲に頼れる人がいない場合は、外部サービスの利用も検討して。別記事「里帰りしないなら万全の体制を!」を参照してみてください。
(監修: 杏林大学 保健学部 准教授 佐々木 裕子 先生)