お尻ストレッチ

坐骨神経痛の予防と緩和

お尻からももにかけてのあたりに、じわじわと電流が走るような痛みを感じることがあると思います。これは産前・産後の定番トラブルの一つ「坐骨神経痛」です。

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坐骨神経痛は、お尻や脚の筋肉につながる神経(坐骨神経)の根っこが圧迫されることが原因とされています。妊娠、出産をきっかけに発症する人も多くいます。これは、坐骨神経の根っこが腰椎と仙骨の部分にあり、分娩時に腰椎同士が圧迫し合ったときに坐骨神経も圧迫されるためです。

圧迫された結果、坐骨神経が悲鳴を上げている状態で起こる痛みを鎮めるには、腰椎と仙骨を動かして詰まりを解消し、余裕をもたせてあげることが必要です。それにはすでにご紹介したNew産褥体操が効果的です。加えて、痛みが走っている部分をゆっくりストレッチしてあげましょう。全身の血行を促すと痛みの緩和に効果があります。

また、骨盤が後傾したり、前傾したりするのも坐骨神経痛を引き起こす原因になるので、まずはふだんから姿勢よく暮らすことは何より大切。産褥期は安静に過ごす必要がありますが、食事のときなど座るときには姿勢を意識して、骨盤を起こした状態を保ちましょう。


お尻ストレッチ

坐骨神経痛を緩和する効果のあるストレッチをご紹介します。


01 床に座り、足をずらしてあぐらを組む

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写真のように、足を前後にずらして座ります。

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両手は伸ばして体の横に置きます。両手の指とお尻を結んだ線がまっすぐになるよう意識しましょう。


02 背中を伸ばしたままゆっくりと前に傾く

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背中を伸ばしたまま、体をゆっくり前に傾けてください。前に出している足側のお尻がストレッチされます。


03 ゆっくりと上体を起こす

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ゆっくりと上体を元の位置に起こします。お尻が十分に伸びるまで繰り返し行ってください。足を組み替えて、反対側も同じように行いましょう。


繰り返しになりますが、日ごろの姿勢も大切です。このセルフケアと組み合わせて、骨盤を起こした状態を保てるように意識しましょう。


 (C) 2016 吉岡 マコ

(監修: 杏林大学 保健学部 准教授 佐々木 裕子 先生)