貧血に気を付けよう【12週~15週】

妊娠4ヶ月(12週~15週)の心と体

おなかがふっくらしてきます。そのため、そろそろマタニティ服を準備してもいいでしょう。産前に着ていた服も工夫して着ることもできますが、ズボンなどはマタニティ用でないと着るのが難しくなっていきます。

成長していく赤ちゃんの影響が母体に出てきます。例えば、貧血。かなりの割合の方が妊娠中の血液検査で、貧血を指摘されます。

赤ちゃんの成長のために鉄分が優先的に使われてしまい、「鉄欠乏性貧血」になる場合も。そのため、ふだんから鉄分を多く含んだ食品や鉄の吸収をよくする栄養素を積極的にとるようにしましょう。


この時期に気を付けたいこと

毎日の食事で貧血解消

鉄分は体に吸収されにくい栄養素。肉や魚、レバーなどに多く含まれています。ヘム鉄と非ヘム鉄があり、主に動物性食品に含まれるヘム鉄は植物性食品に含まれる非ヘム鉄より吸収率が数倍多くなります。

そのままだと吸収率の低い非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒にとることで吸収率がアップします。ほうれん草や小松菜、卵や大豆などの非ヘム鉄が含まれる食品は、ビタミンCが多く含まれる野菜やレモンなどをふりかけて一緒にとりましょう。

とりたい栄養素と食事

鉄分のほかにも、妊婦の体と赤ちゃんの成長ためにとりたい栄養素があります。バランスいい食事を心がけていくのは基本ですが、こんな栄養素も意識して食材を選んで。

カルシウム

赤ちゃんの骨や歯をつくるのに必要。妊婦でない場合も摂取量が低いといわれているので、妊娠中はとくに気をつけてとりましょう。ただし、サプリメントなどでのとりすぎには注意が必要なので、できるだけ食事で補うようにしましょう。

含まれる食材:大豆、小松菜、ほうれん草、牛乳

食物繊維

便秘がちになる妊婦の強い味方。豊富に含む野菜や海藻を心がけましょう。

含まれる食材:さつまいも、ごぼうなどの根菜類、きのこ、海藻

タンパク質

赤ちゃんの血液や体をつくるために必要です。肉や魚に含まれますが、大豆など植物性食品からもとることができるので、バランスよく!

含まれる食材:肉、魚、大豆、大豆製品

ビタミン類

ビタミンB群は代謝を促し、栄養素の生成をサポートする機能があります。ビタミンCは鉄分やカルシウムの吸収を手伝い、免疫力アップの効果があります。

含まれる食材:豚肉、きなこ(B1)、しじみ、あさり(B12)、小松菜、ブロッコリー、じゃがいも、果物(C)

注意したい食材

妊婦がとりすぎると、赤ちゃんの成長や発達に影響しかねないものもあります。注意をしましょう。

なまもの

刺身はもちろん、生ハム、スモークサーモン、チーズなども摂取は注意しましょう。加熱されていない食品にはさまざまな菌があり、感染しやすい妊婦が摂取すると、赤ちゃんに影響が出かねないからです。

キンメダイやマグロなど

大きな魚の中には含まれる水銀が妊婦の体を通して、赤ちゃんに影響することがあると指摘されています。ただ、魚類は栄養が豊富で、とっておきたい食材です。水銀が含まれる魚の摂取量は、以下のサイトを見ながら調節していきましょう。通常の生活で問題になることはほとんどありません。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf


(監修: 医師・医学博士・産業医 /「広尾レディース」院長 宗田 聡 先生)