「マイタウン出産」って何?

里帰りせず出産する人が増えています

出産は妻の実家に戻るのが当たり前…という概念は、少し違ってきたようです。最近は「マイタウン出産」といって、里帰りせずに、家族と一緒に暮らしてきた街(または、これから暮らす街)で子供を産み、子育てをスタートするという選択をしている夫婦もいます。

しかし、それは子育てを妻と夫二人だけで始めるという意味ではありません。夫婦以外の人や家事サービスなどを人の手を借りて子育てしていくということです。


マイタウン出産のメリット

実家に帰らないで、大丈夫?と思う方もいるかもしれません。マイタウン出産を選ぶのは、メリットがあるからです。例えば、こんなメリットが。

産後サポートままのわ」リーフレットより引用

  • 夫婦揃って育児をスタートできる
  • 上の子の登園などを気にしなくていい
  • 地域での育児情報を早くから得られる
  • 里帰りから帰宅した時のギャップを経験しない
  • パパが育児に前向きになりやすい

大きなメリットは、慣れた生活環境で産後を迎えられるということ。里帰り出産の場合は、赤ちゃんとの子育てをスタートして1~2ヶ月でやっと慣れた空間を、マイタウンに戻ってから再度、作り直さなくてはいけません。


父親は父性に目覚める?

赤ちゃんと父母だけでなく、夫婦同士の関係も大きく影響します。出産後1~2ヶ月、新生児は大きく変化します。出生時から1ヶ月健診まで体重が2倍近く増える赤ちゃんも。それだけグングン成長していくので、その変化をお世話をしながら父親も一緒に見ていってほしい、「見逃して」ほしくないと考える人が多いのもうなづけます。

その変化を夫婦で見届けながら共にお世話をしていけば(もちろん、家族以外の人の手も借りつつ)、夫婦の絆がより強くなり、父親は早々に赤ちゃんのお世話に慣れていけます。

生まれたてのホワホワな赤ちゃん。入院時はまだ、どこかお世話も他人事ですが、いざ自分の生活圏に赤ちゃんがいる生活が始まったら、父性が湧き上がってくるかもしれません。

また、上の子がいる場合に里帰りするときは、通っている保育園や幼稚園を休んで、里帰り先で数ヶ月過ごすことになります。新しい環境で刺激をもらうこともありますが、マイタウン出産では環境が変わらず安心して過ごせるのも利点です。


「人手を借りる」が、マイタウン出産がうまくいくカギ

夫婦二人だけで産後を乗り切るのは、まず無理です。これは断言できます。今までは里帰り出産をする人が多かったのは、「人の手が必要」だから。

マイタウン出産で二人だけで乗り切ろうとしたら、上記の利点は吹っ飛んで、産後クライシス…なんてことにもなりかねません。

どんなことを準備したらいいのか、「お役立ち」の「産後の生活の準備」にある「里帰りしないなら万全の体制を!」という記事を参考にしてみてください。

もちろん、里帰り出産のメリットもあります。里帰り出産のメリットデメリットは、「出産と入退院」にある「里帰り出産、失敗談&成功談」という記事を読んでみてください。


(監修: 杏林大学 保健学部 准教授 佐々木 裕子 先生)